ドイツのバセドウ博士が約180年前に発表したので、バセドウ病あるいはバセドー病と呼ばれています。アイルランドのグレーブス博士も同時期に発表したため、イギリスやアメリカではグレーブス病とも呼ばれています。
3つの因子が挙げられています。それはストレス、自己免疫(TSHレセプター抗体)、および遺伝です。
専門病院において3種類の治療が行われています。
体質の変化により、自分の甲状線を異物とみなして、甲状腺の細胞の表面にあるTSHレセプターに対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)が産生されます。このTRAb がTSHの代わりに甲状腺のTSHレセプターに結合すると、常に甲状腺を刺激する為に、甲状腺ホルモンを作り続けるバセドウ病になると考えられています。
専門病院ではよく測定されています。
患者さんの約15%に生じる重症タイプのバセドウ病です。院長が35年前に発見し、大阪で研究を続けてきましたので、その特徴と治療について解説させて頂きます。
甲状腺の腫大度が強い。
血中TSHレセプター抗体価が高い。
- TPO抗体価が高い。
- Tg抗体価は通常と変わらない。
- Tg(サイログロブリン)濃度が高い。
病理組織所見
濾胞上皮の増高が顕著である。
濾胞内にコロイド小空泡が多い。
123 Iヨード接種率は3時間後値の方が
24時間後値より高い。
甲状腺組織中TPO活性が高い。
TPOのカップリング反応は、T4産生は同じだが
T3産生がより高まっている。
組織中脱ヨード酵素活性(D2)が高い
血中TRAb値とTSAb値の相関係数がより高い。
キメラTSHレセプターでのTSAb活性の減少度が著しい。
血中ガストリン濃度が高い。
血中ペプシノーゲンI濃度が高い。
抗甲状腺治療で寛解しにくい。
抗甲状腺亜全摘術後血中T3値は正常化する。
123 I内用療法後、甲状腺機能低下症へ移行する頻度が少ない。
院長が2013年11月の日本甲状腺学会で口演したスライドを表示します。